出版文化社 共同出版事業部

軍人たちの大阪城 大阪城は帝国陸軍の根城だった

大阪城を舞台とする「戦争と平和」のドラマ

大阪城を根拠地としていた帝国陸軍第四師団の歩み、昭和初期に行われた大阪城天守閣の再建を軸として大阪城と大阪の近代を「戦争と平和」の視点から描いたノンフィクション。

明治時代になって全国のお城が新政府の管理下に入り、大阪城に陸軍部隊が駐屯するようになります。部隊はやがて帝国陸軍第四師団となり、日清・日露両戦争への派遣、国内治安維持のための出動などを経て、太平洋戦争での敗戦により師団は解体されます。
一方、大阪城の天守閣は江戸時代に二度焼け落ち、天守閣のない時代が長らく続いていましたが、現在のコンクリート造りの天守閣が1931年に再建され、大阪のシンボルとなります。しかし、この再建は陸軍への裏金疑惑など不透明な部分が多く、戦時色の深まりとともに城内への一般市民の立ち入りも禁止となります。
太平洋戦争の末期、大阪城は米軍の激しい空爆にさらされますが、天守閣も第四師団の司令部庁舎も焼け残ります。そして戦後、大阪城は市民が憩う公園として整備され、司令部庁舎も大阪市立博物館、さらには現在のミライザとなって再生します。

分かりやすい記述で、高校生でも読みすすめられます。諸文献に基づいて記述され、約40点の写真も掲載。

【目次】
一章 天守閣のない大阪城
二章 お城たちの運命
三章 士族の反乱
四章 砲兵工廠と砲兵隊
五章 日清戦争と日露戦争
六章 「民衆の台頭」と陸軍
七章 大阪の米騒動
八章 労働争議と陸軍
九章 浪速神社と豊國神宮
十章 師団移転問題と大阪城一般開放
十一章 天守閣再建と公園開園
十二章 戦火の中の大阪城
十三章 大阪城公園としての再生
著者 前田啓一
発行 ブックウェイ
定価 1,320円
 (1,200円+税 10%)
情報
  • ISBN : 9784883386437
  • 体裁 : 四六判 並製 200頁
  • 発売日 : 2018年8月5日