民衆 対 陸軍
太平洋戦争の原因は「民衆の台頭」だ!
戦前日本の指導層は「民衆の台頭」を恐れに恐れ、これが軍国主義や太平洋戦争を引き起こした!
戦前日本の軍国主義を「民衆の台頭」への恐怖により説明する斬新な視点を提供。民主主義、民族自決など「民衆の台頭」は20世紀の世界的潮流である。日本でも普通選挙や政党政治が実現した。この「民衆の台頭」を恐れた指導層は人々の天皇崇拝、戦争許容の心理などを利用して国民を軍国主義に導き、日中戦争を進める。そして軍国主義に染まった国民に押されるかのように太平洋戦争に踏み切る。日露戦争後から太平洋戦争突入まで。
【著者紹介】
前田啓介
1955年兵庫県生まれ。出版社勤務、在シカゴ日本国総領事館専門調査員などを経てフリーライターとなり、経済分野を中心に執筆。著書に『黒船の思想 上巻』『軍人たちの大阪城』『木綿リサイクルの衰退と復活』(以上ブックウェイ)『暗がり礼賛』『明治サムライ時代論』(以上学術研究出版)。兵庫県在住。ホームページはmaeda513で検索。
【目次】
■序章 「神がかり」と「民衆の台頭」
■1章 日比谷焼き打ち事件
■2章 ロシアの「一九〇五年革命」
■3章 社会主義の浸透と弾圧
■4章 韓国併合と辛亥革命
■5章 大正政変とシーメンス事件
■6章 大隈内閣と「二十一カ条の要求」
■7章 第一次世界大戦による「民衆の台頭」
■8章 米騒動と原内閣
■9章 「残された帝国」とワシントン体制
■10章 社会主義の復活と革命の悪夢
■11章 普通選挙と社会主義の退場
■12章 政党内閣の多難と満州事変
■13章 五・一五事件と議会主義の後退
■14章 陸軍の影響力の増大
■15章 『国体の本義』と日中戦争
■16章 日中戦争の泥沼化
■終章 「残された帝国」の滅亡