出版文化社 共同出版事業部

木綿リサイクルの衰退と復活―大阪八尾を中心とする木綿の経済史―

木綿を素材として人々の暮らしと経済システムの変化を描く!!

江戸時代、大阪八尾は河内木綿の産地として栄えていた。その河内木綿の里では、土から生まれた木綿を再び土に戻す「木綿リサイクル」が盛んに行われていた。しかし黒船来航による開国後は、輸入木綿を原料とする紡績業が中心となったため、河内木綿は姿を消してしまった。さらには日本の工業化が進むにつれ紡績業も下火となり、木綿産業自体が衰退してしまった。
地球温暖化が進む現代では、石油などの化石燃料に過度に頼らない経済システムの構築が世界的な課題となっている。そんな中、大阪八尾の地で河内木綿の研究が進み、木綿の栽培や加工に取り組む人々も増えてきた。木綿を「生態系サービス」の一つとして活用する試みも始まり、再び「木綿リサイクル」の輪が回ろうとしている。
本書はこうした大阪八尾の木綿産業の衰退と復活を叙述することで、江戸時代から現代までの経済システムの変遷を明らかにしていく。また江戸時代の「木綿リサイクル」を描くことにより、現代経済の特質を浮き彫りにし、これからの経済システムを考えるヒントを読者に提供する。

【目次】
序章 河内木綿との遭遇
一章 麻から木綿へ
二章 江戸時代の木綿リサイクル
三章 商都大阪の繁栄
四章 海外木綿製品の流入
五章 「鉄と石炭」の革命
六章 木綿リサイクルの崩壊
七章 商都大阪のゆらぎ
八章 大阪紡績業の勃興
九章 河内の人々の模索
十章 綿業世界一の栄光
十一章 木綿から合成繊維へ
十二章 高度経済成長による工業化
十三章 河内木綿の復活
十四章 公害と地球温暖化
十五章 木綿リサイクルの復活
十六章 「生態系サービス」としての木綿

著者 前田 啓一
発行 ブックウェイ
価格  1,300円+税
情報
  • ISBN : 9784883386765
  • 体裁 : 四六判 並製 192ページ
  • 発売日 : 2020年7月27日