万葉の調べ
万葉集を時代背景と共に解説!
万葉集が綴られた七、八世紀は氏族政治から律令政治へと移り変わる、宗教的には神道と仏教が融合する時期である。また、地震や噴火、豪雨に飢饉、疫病が頻発して人々は不安を募らせていた。そのような時期に人々が後世に伝えることは何であったのか。大伴家持やその父親の旅人、柿本人麻呂や山上憶良などは、当時の律令国家としての中央集権化の荒波にさらされ悲哀の生活の中で和歌に力強く取り組んでいた。大伴家持が生きる拠り所としていた聖武天皇の歌や悲愴な思いを抱いて政治にあたらねばならなかった持統天皇の歌にも為政者の並々ならぬ心情が込められている。
飛鳥白鳳、平城、天平と三時代に区分して各時代の代表的な和歌を時代背景とともに紹介する。自然を畏怖しあるいは愛でる心や今日の災害時にも治安を失わない絆、そしてきめ細かなおもてなしの精神や柔軟な思考は遠く万葉集を起点としているように思われる。
【目次】
第一章 飛鳥白鳳
舒明天皇/皇極・斉明天皇/天智天皇/藤原鎌足/天武天皇/
額田王/持統天皇/柿本人麻呂/草壁皇子/大津皇子/大伯皇
女/鴨君足人/文武天皇/防人
第二章 平城
元明天皇/元正天皇/橘諸兄/大伴旅人/山上憶良/小野老/
藤原宇合/調使首
第三章 天平
聖武天皇/山部赤人/孝謙・称徳天皇/藤原清河/紀鹿人/大伴家持
著者 | 秋月奏 |
発行 | 詠月舎 |
定価 | 1,980円 (本体1,800円+税 10%) |
情報 |
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