クロスボーダーM&A 新興国における投資動向・法律・外資規制
日本企業による海外企業のM&Aは、2012年には史上最多の515件、2013年には史上2番目の499件と、高水準での推移を見せています(レコフ調べ)。
今後も中期的には、高い内部留保や超低金利政策を好機とし、また将来的な国内市場縮小を見越して、クロスボーダーM&A件数は、継続的に増加することが予想されます。
特にアジア企業へのM&Aは、2013年に202件と過去最多を更新しました。このうち、中国企業へのM&Aは前年から約50%減少する一方で、ASEANへの投資が一段と活発化しました。ここ数年の日中関係の悪化と併せ、チャイナプラスワンの流れが顕著となっています。
継続的に人口増加の見込まれるアジアでのM&Aがますます増えることにより、1件ごとの取引金額は少額化し、プレイヤーの割合も大企業から中堅企業へと移行していくでしょう。
クロスボーダー案件では、現地企業の既存のリソース(施設、従業員、販路等)を用いることにより、理論上は買収の翌日からでも、新たな拠点国において収益を生むことが可能となります。競合に先んじ、安い労働力を利用して価格競争における有利なポジションを取ることや、国際市場におけるシェアを広げることができるのです。
本書で解説する、各国のM&Aに関わる法・会計・税制度は、各国におけるさまざまなリスクを回避・軽減し、M&Aを成功させるために必要な情報の、ほんの一部でしかありません。
しかしながら、クロスボーダーM&Aという一見華やかな言葉に踊らされず、不慣れな土地での事業の成功というゴールに至るための道標として、本書が皆様の一助となれば幸いです。
目次
はじめに
序 M&A概論
Ⅰ インド
Ⅱ 中国
Ⅲ 香港
Ⅳ タイ
Ⅴ ベトナム
Ⅵ ミャンマー
Ⅶ インドネシア
Ⅷ シンガポール
Ⅸ フィリピン
Ⅹ ロシア
XI モンゴル
XII ブラジル
XIII メキシコ
XIV ドバイ・アブダビ
XV トルコ
さくいん
著者 | 久野康成公認会計士事務所 株式会社東京コンサルティングファーム |
監修 | 公認会計士 久野康成
GGI国際弁護士法人 |
発行 | TCG出版 |
定価 | 4,950円 (本体4,500円+税 10%) |
情報 |
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著者プロフィール
久野 康成(くの やすなり)
久野康成公認会計士事務所 所長
株式会社東京コンサルティングファーム 代表取締役会長
東京税理士法人 統括代表社員
公認会計士・税理士・社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
1965 年生まれ。愛知県出身。1989 年滋賀大学経済学部卒業。1990 年青山監査法人(プライス ウオーターハウス)入所。監査部門、中堅企業経営支援部門にて、主に株式公開コンサルティング業務に係わる。
クライアントの真のニーズは、「成長をサポートすること」であるという思いから監査法人での業務の限界を感じ、1998 年久野康成公認会計士事務所を設立。営業コンサルティング、IPO コンサルティングを主に行う。
現在、東京、横浜、名古屋、大阪、インド、中国、香港、モンゴル、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポール、フィリピン、カンボジア、ラオス、スリランカ、バングラデシュ等、世界27 カ国にて、「第2 の会計事務所」として経営コンサルティング、海外子会社支援、内部監査支援、連結決算早期化支援、M&A コンサルティング、研修コンサルティング、経理スタッフ派遣・紹介等幅広い業務を展開。国際会計事務所グループGGI(世界第6 位)の日本におけるグローバルアライアンスメンバーファームに加盟。グループ総社員数312 名。